どもども、色々と書こうとおもったのですが、
こいちが思いのたけを書いたんじゃー!と言ってきたので
そちらにて、新スタッフ紹介とさせていただこうかと思います。
またしても長いのですが、以下をお読み下さい…。
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初めて聞いたその時の様子が、つい先日のようにも鮮烈に思い出されるし、もう何年も前のことのようにぼんやりしていたりもします。
本当に心の底からの「おめでとう!」、それと同時に「あーそらもうさすがに終わったなぁ、終わりかーソンタナの最後、なかなかあっけないなー」でした。「実は、さ…」の後に、星への帰還指令について初めて聞かされた時の、ぼくの正直な気持ちです。
というわけでこんにちは、ソンタナの「でかい方」こと、こいちです。現在のサイトスタイルになってから文章を書かせてもらうのは初めてですね…初めての方ははじめまして。オープン以来、裏方全般をやってました。
世田谷・経堂の地に、2010年7月に「タイ屋ソンタナ」をオープンしてから3年6ヶ月。誰よりも身近にfumiの仕事ぶりを見てきました。
「見てきた」なんて言っていますが、もちろんぼくも傍観者であるはずもなく。一緒になって地の底をのたうち回るような思いもしてきたし、鳥肌が立つようなうれしい思いもしてきました。どんなに親しい友人や家族にも、もしかしたら本人同士ですら一生言えないような、とんでもなくいろいろなものが入り混じった、愛憎とかそういったものを軽く飛び越えた感情をお互いに持っています。
そういう意味では、ソンタナの系譜において、ぼく、こいちも間違いなく「最重要プレイヤーの1人」だったと思っています。当然のことではありますが。それでもやっぱり、ソンタナのフロントマンはfumiであり、あそこはfumiのお店だと思っていました。
ぼくらあの星の者(=タイを愛するもの)にとって、星への帰還指令が出るというのははっきり言って大躍進、二階級特進です。通常の状態ならば悩む余地なく、即答ですよ即答。「よろしくお願いします!」って。
悩みとなったのは…もちろん、ソンタナという存在がもうすっかり、ぼくらの中でとてつもなく大きくなっていたことでした。自分(およびfumi)が帰還する=ソンタナを閉めるということになる(はずだった)わけです。
「ソンタナ」という言葉にぼくたちが込めた意味は「美味しい料理と楽しい会話」です(ソンタナとはタイ語で「会話をする」という意味です)。クワンさんとキッドさん、ソンタナ「美味しい料理」部門のコックの二人は、キチンと話しをすればそんまま働いてくれる。でも「会話」担当fumiがホールにいないタイ料理屋が「ソンタナ」と呼ばれるのか?ぼくは、fumiは、それでいいのか?何よりも美味しいタイ料理はもちろんのことfumiとの会話を楽しみに来店してくださるお客様は?
実際問題、オープン当初は「あっぷあっぷ」という状況だったところから徐々に変化し、ここしばらくは本当にお客様に恵まれ、石にかじりつきながらやってきた甲斐を感じてきていたところでした。ただ閉店するのはあまりにももったいない、かと言って店名とコックさんだけ誰かに引き継ぐのも、なんだか申し訳ないというか違和感というか…という、どうしたもんかと堂々巡りの会話がしばらく続きました。
最初はどっちから言い出したことだったか…その日も二人で喧々諤々、その時ふと、
「くどうちゃんとかさぁ、もし話振ったら『やる!』って言ってくんないかなあ」
そんな話が出ました。僭越ながらのめちゃ上から目線で、もし誰かにお店を引き継いでもらうとして、誰にだったらなんのわだかまりも思うところもなく、満場一致で喜んで譲れるか?(相手の事情は一切気にせずに!)なんて話をしていた時だったと記憶しています。
くどうちゃんという人は、ぼくの数年来の飲み仲間兼タイ旅行仲間兼ボードゲーム仲間であり、大切な友人です。fumiとはぼく経由、ソンタナのオープン以降の付き合いでありながら、今ではすっかり飲みや写真を通じて仲間となっています。彼の人となりは…ご存じない方は、ここで文章で語るより、実際にお店で話すことで感じてみてください。
ぼくとfumiが信じた、託した人です。
現職…あ、もう年が明けたから前職だ。その状況や思い、日々のジレンマや感じていること等など、彼と話していたことを思いかえすうちに、もしも、もしこの人がいろんなものを投げ打って、大きなリスクを請け負いながらも引き継いでくれるなら、ぼくもfumiも喜んで「ソンタナ」の名前を引き継いでもらうことが出来る。今までとまったく変わらず、もしかしたら今まで以上にぼくは裏方稼業に没入出来る気がする。そう思ったのでした。
なぜならこの人、いつの間にやらなんだかもうほんとに、笑っちゃうくらいタイのことが大好きになってくれていたから。
こちらも笑っちゃうくらい青臭い理由ですが、ぼくとfumiが当初意気投合し、最終的にタイ料理屋をオープンするにまで至ったのは、結局のところ「タイが好き!」が理由のすべてでした。そして更に更に笑っちゃうことに、それを彼が引き受けるわけです。もちろん誘うからには真剣に、ちょっと軽く振ってみるとかではなく話をしました。最初から。
想定されるメリットとデメリット、リスク、すべて包み隠さず話して…話すうちに「いやこれないわー」って自分で自分に突っ込んでいました実は。
だってね、こんな変化なんですよ
・確固とした技術に裏打ちされた専門職に十数年就いている→さっくり辞める
・それなりに休みがあり、朝も早いが終業も早い→お休み減りまくり
・飲食・接客業ベテラン タイ語ペラペラのfumi→サービス経験ちょこっと タイ語は話振った時点で数十語のくどうちゃん
・話を振ったのは11月末→完全移譲は2月 引き継ぎを考慮すると年内には退職確定させて、翌年頭には店に入る
まあ、甘言的な要素ははっきり言ってほぼゼロでした。てか、こうして改めて書き出して…普通に考えてあり得ないよなあ、こんな話…。それでもくどうちゃんには、ぼくとfumiに「この人になら」と思わせる何かがあり、細い蜘蛛の糸をよじ登るような賭けでありながら最終的に「なんだかやってくれるんじゃないか」みたいな、予感めいたものもありました。いやあ、当たりましたねえ。大当たりでした。
というわけで、来月からのタイ屋ソンタナは、腕っこきのコックさん2人と、情熱とタイ好きなことだけは誰にも…いや、ぼく以外には負けないホール担当という、ある意味奇跡のスリーピースとなります。
このお店が今後どうなっていくか、現時点では誰にもわかりません。ただ一つだけ確実に言えることは、「『タイ屋ソンタナ』は、完全にくどうちゃんのお店となる」ということです。お店の経営、運営に関することは、完全にくどうちゃんの判断ですべて行われます。もちろん「あの時はこうした」「こんな失敗をしたんだよー」といった話は、今後もずっと二人からも伝えます。
fumiは、遠い星からソンタナのことを思い、たまーに…年に1度?戻ってきてはうなずいてお店で飲んだくれて帰っていく人になります。こいちは、すこーしだけ、どうしても一人では回らない部分だけをお手伝い。くどうちゃんがボードゲームに理解があるのをいいことに、たまに個室でゲームをやっていたりすることがあるかもしれません…。
最初はもちろん、目指す(はず)のは現在の状態の完璧な模倣です。くどうちゃんも、タイが好きなのはもちろん、今のソンタナのことが大好きだからこそ、その「場」を守りたいと言ってくれました。経験で今までに敵うわけないのですが、ただそれでも「やる」と言ってくれたのです。その気持ちを持った、そしてfumiの経験を叩き込む1ヶ月を無事に完走したくどうちゃんであれば、間違いなく2月からのソンタナを引っ張ってくれると思っています。
くどうちゃんをよく知る人にお願いです。
どうぞ会いに来て、話をしてやってください。
くどうちゃんを知らない、ソンタナを愛してくれる人にお願いです。
どうぞこれからのソンタナを任せるに足る人物であるか、見極めてやってください。
今後とも、「タイ屋ソンタナ」とくどうちゃんをよろしくお願いします。
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ということで、新スタッフ「くどうちゃん」は、明日1月2日から登場です!
お楽しみに!